外来での徒然

なにもないことの素晴らしさ

病院の外来には様々な人が来ます。

脳神経外科の外来にも様々な人が来ます。治療がある程度落ち着いて元気に通っている人もいれば、定期的な画像のフォローで戦々恐々としながら結果を聞きに来る人もいます。すごくおっかなびっくりな様子で紹介状を持ってきて、あと何年生きられますかって聞いてくる人もいます。

6年前に肺がんの脳転移で手術歴のある70代後半のセガワさん。
定期的に画像フォローをして再発などがないか確認しています。

心房細動やASOなど他の病気もあり、あたまの手術のあと何度か入院、治療をしています。

今回のMRI検査は、ASOの治療をして退院したすぐあとでした。

セガワさん
「先生、どうですか。頭のほうも悪くなってますよね?」と恐る恐る聞いてきます

私「頭のMRIでは、再発はありませんよ。なにもないですよ。」

セガワさん
「なにもなくてうれしい、すごくうれしい、ありがとう、ありがとう」
と感極まって泣き顔になりながら手を握られました

わたしが「いや、わたしはなにもしてないですよ」といっても【うれしい、うれしい】が止まりません。
クラークのナシモリさんにも「ありがとう」の連呼です

「わたしもうれしいです」とナシモリさんがぼそっとつぶやいていました

 定期的な画像フォローの患者さんは大勢います。
 再発がないことがどれだけうれしいか、再発という恐怖がどれほどのものか再度考えさせられる外来でした。