外来での徒然

セニアカー

 

病院の外来には様々な人が来ます。

脳神経外科の外来にも様々な人が来ます。

70代前半のサカミチさん。卵巣がん転移で外来に通院しています。
婦人科ですべてフォローするよ、といわれているのに脳神経外科の外来にも通院するといって3か月に1回通ってくれています。化学療法の副作用のためか長距離の歩行が困難です。

 診察室に入ってくるなりサカミチさんはパンフレットを見せてきて

「先生、このセニアカーってのどう思う?」ときいてきました

セニアカーはSUZUKIのシニアカーで電動車いすという範疇になります。4輪で歩道を通行します。自分は素晴らしい商品だと思っています。

「いいんじゃないかな?」というと

サカミチさんは「でもなんだか高齢者みたいで恥ずかしいのよね」っておっしゃいました

私は「なにいってるんですか、だれが恥ずかしいんですか。サカミチさんはセニアカー乗ってる人見てあの人恥ずかしいって思うんですか。最先端ですよ最先端、EVですよEV。私はセニアカーに乗ってる人みたら、最先端でナウい人だなって思いますよ」と伝えました

サカミチさんは「いやナウいって、でもはずかしい」といいます

「少なくとも私は恥ずかしいとは思いません」と何度か伝えました

サカミチさんは最終的には「先生と話しているとなんだかよくわからなくなってきたわ」

と言って帰っていきました。

シニアカーがADL向上に役立つであろう人はたくさんいるし今後も増えていくと思います。スーパーとかに置いてあって気軽にかりられる時代がくるといいですね。