日々思う事

医師の働き方改革における 医師と患者の未来

2024年1月現在 医師の働き方改革なるものが推進されています。
2024年4月より施行されます。

内容は 医師は時間外が多くて大変だから国が管理して適切な勤務時間にしましょう というものです。

平たく言えば、(自分というよりむしろ部下の)ストレス管理もできない(しない)医者が増えたからしょうがないからお国がお前らを管理してやるよ
ってことになります。

一般の勤務医が理解していることと言えば下の3つでしょうか。
 時間外勤務(残業)が 
・月に100時間を超えない 
・3か月連続で80時間を超えない
・年に960時間 or 1860時間を超えない

はたからみるとそんなの超えないでしょうと思うかもしれませんが、医師で仕事をしていると”いや超えること普通にあるよね”となります。

〇どのように時間外を減らしていくか(例)

● 「病気、治療の勉強して、よりよい医療を患者さんに届けます」
 ⇒ 自己研鑽だよね、勝手にやってるよね、時間外には入りません

 受け持ち患者のため以外の勉強は時間外に普通は入れないとおもいますが、受け持ち患者の治療方針決定のための論文あさりなどはどうなるのでしょうか。
 これを大々的に言われると、最終的には医療の質の低下を招く気はしますが30年後の日本の医療はどうなっているのでしょう。

●「患者さんが亡くなりました、病院の霊安室に移動しました。そこから寝台車でお帰りになります。そのときにお見送りします」
 ⇒ 勝手にやってるよね、医療行為じゃないよね、時間外に入らないし病院としては推奨しないからできる限りやめてね
 
 見送りの適切な方法とか学生時代学んだ気がします。自分が行った治療を再度見直したり、医療者と家族の死に対する受け止め方の違いの再確認したりなど、医師としての成長を促すこともあるとおもいます。
 ただこの見送りが医師の結構な負担になっていたのも間違いないです。

【2時呼び出し:死亡確認】→【4時半:見送り】→【6時半 通常業務開始】

みたいなことが無くなりました。これは若い先生にはありがたいのかもしれませんし、次の患者さんのことを思えば見送りは積極的に無くしたほうが良いのかもしれません。わかりません。

●「患者さんの病状が聞きたいけど、家族がなかなか時間が取れず17時15分以降や土日に説明を希望されたので、時間外に説明しました」
 ⇒ 病院としては急変以外はできうる限り時間内にしてください。

 患者さん家族から文句を言われた時代もありました。病院内に張り紙貼って周知徹底していたこともあったようです。全国どこの病院でも今はそのようになりました。
 土日祝日に、急変でもないのに患者さん家族に説明していることがばれると院長に怒られます(笑)
医療者側からしたら非常にありがたいですが、患者さんやその家族の負担は増えたとおもいます。

上記はどちらかというと慣習となっているものをお上の力で省いていくという作業でしょうか。そのほかにもどんどん一見無駄に見えるものは省かれて行っています。
患者さんや患者さん家族の負担は増えますし少し寂しい思いをするかもしれません。
今の医療水準を維持するためには、仕方のないことなのでしょうか。

人口減少、超高齢化時代です。より少ない人数で、より効率よく、より多数の患者を、よりミスなく治療できる世の中になってほしいし、していきたいです。

ただーーーーーーーーーーーし(ちゃぶ台ひっくり返すよ)
効率化を徹底しすぎると
患者はいなくなってただの病人になっちゃうからね
医師はいなくなってただの整備士になっちゃうからね

それは余り幸せな世界ではないと思いますよ。

効率化もほどほどにってのが、患者さんも医師も幸せなのかもしれません。