外来での徒然

妻の秘密 

病院の外来には様々な人が来ます。

コニさん。いわゆる田舎の過疎地に住んでいますが、毎回1時間以上娘に運転させて外来に通ってきます。

もともとは脳梗塞になって、精査で頸動脈狭窄を認めた80代の方です。ステントで頸動脈の狭窄を広げた後の経過フォローで通院しています。

コニさんは最近白内障の手術をうけました。
すごくきれいに見れるようになって誰彼構わず勧めているそうです(娘談)。

3週間ほど前、コニさんの旦那さんも白内障の手術を受けたそうです。
手術から帰ってきた翌日に発熱し、調べるとコロナだったそうです。

コニさん「夫は白内障手術のために入院したから、そこからうつったことになってるの」

わたし「コニさんと娘さんは大丈夫だったの?」

娘さん「私はコロナにかかって、40度近い熱をだして大変でした」

コニさん「私は大丈夫だったのよ、でも娘にうつしたから旦那はすごくすごくおちこんでるのよねぇ」

わたし「だんなさん落ち込みますね、それでコニさんは大丈夫だったの?」

コニさん「私は大丈夫だったのよ」

娘さん「お母さん!!お父さんが白内障の手術で入院する数日前からお母さん咳してて熱もあったでしょ。本当はお母さんが〇〇診療所でもらってきたんだと思ってるんだからね!」

コニさん「そうなの、たぶん私が最初にかかったんだと思うの。けどそれはまだ旦那には秘密なの」 

コニさんは重症化しなくてよかったですね、旦那さんちょっとかわいそう。