脳梗塞を起こした場合、まず脳梗塞の原因を調べます。原因に応じて手術を行ったり点滴をしたりします。落ち着いたら予防のために薬を内服してもらいます。
予防のためですので、たいていは一生その薬を飲み続けることになります。
外来での徒然 ツタニさん
今回は、脳梗塞をおこしたものの症状がほとんどなく、退院された70代男性、ツタニさんのお話です。ツタニさんは脳梗塞(5年以上前)のあとからピアノをはじめたりと、一生懸命あたらしいことを頑張っておられる努力家です。
バイアスピリンという血液をさらさらにする薬を内服しています。
家が遠く他県であるため近くの病院からの処方を勧めていますが、なんだかんだいってこちらの病院へ通ってきます。
ツタニさん「薬の飲み忘れもないし、調子いいよ」
わたし「それはよかったですね、血圧もいいですしストレスとかもないですかね」
ツタニさん「大丈夫、運転も問題ないわ。家内とふたりでなんとか生きとるわ」
わたし「それはよかったです。奥さんと仲良くしてますか」
ツタニさん「おおぅ、奥さんとは仕方なしに一緒に住んでるわ」
わたし「仕方なしって。奥さんは元気にしてますか」
ツタニさん「おぅ、去年、脳梗塞になっとる。それからは食事は自分の係になっとるわ」
わたし「奥さんの食事つくってるんですか?」
ツタニさん「はじめは難しかったけどな。今は全部つくっとる」
ツタニさんの奥さんは自宅近くの病院へ入院、リハビリをされたそうです。麻痺は残ったけど認知機能、言語機能は問題なかったとのこと。
仕方なしに一緒に住んどるっておどけながら、言葉の端々と語られる行動に妻への愛情があふれていたツタニさんになんだか心が温かくなりました。
はじめは難しくても頑張ればたいていなんでもできるもんだそうです。
・・・・・いろいろ頑張ろうっ!