日々思う事

医療者がくすっとわらってしまうキタマ先生の冗談

医師を含め医療者も人間です。ちょっとした冗談を言うこともあります。
笑えることもあれば、全く笑えないブラックなものもあります。

今回はいつも面白いことをいう私の大好きな上司キタマ先生の冗談を忘れないようにいくつかあげます。私もどこかで使おうかと思っています。

キタマ先生が定期検診で、胸のレントゲンを撮ったのことです。
キタマ先生のレントゲンに影がありました。レントゲンを撮った放射線技師タイヨウさんとキタマ先生の会話です。

技師タイヨウさん「キタマ先生、左のここちょっと影が見えますね」

キタマ先生「うん?どこどこ?」

タイヨウさん「ここです。」

キタマ先生「うーん・・・・、ま、僕はレントゲンに影があるだけだけど、タイヨウ君は人生に影があるからね、ふふふ。」

技師タイヨウさん「はぁ、キタマ先生、そんなことではごまかせないですからね、精査してください。」

結果何もなかったようです。よかったですね。

消毒

脳神経外科は頭の手術をします。メスをもって頭の中を手術することもありますが、血管内治療と言って、放射線をあてて画像をみながら頭の中の血管の治療をすることもあります。
血管内治療の時は放射線が出ているので防護服を着て行います。


あるとき、キタマ先生は防護服をつけないで放射線がでている部屋に入って処置をしていました。

技師タイヨウさん「先生、放射線出てます。防護服着るか部屋から出てください」

キタマ先生「だいじょうぶ、だいじょうぶ」

技師タイヨウさん「大丈夫じゃないです。気を付けてください」

キタマ先生「ときどきはこうやって消毒しとかないとね!!」

技師タイヨウさん「いや放射線は消毒にはならないですから。早くでてください」

キタマ先生「でもちっちゃい癌とかあったら死んでくれるかも知らんし」

技師タイヨウさん「そんなわけないでしょ、もう早く!!!」

キタマ先生「はい、すいません・・・・・・・・」

なんで血管撮影室で漫才してるんですかって突っ込みたくなりました(笑)

アシスタントかレジスタントか

キタマ先生は六〇歳近いので、もうベテランです。
手術の椅子に長時間座っていると褥瘡ができかけるらしいし、目もみえにくくなっているらしいです。でも手術は我々よりも繊細ですし、知識も豊富で様々なことを教えてくれます。

キタマ先生「徒然先生、もうほとんど手術できるでしょ。手術に入らなくてもいいよね?」

わたし「なにおっしゃっているんですか。そんな楽せずに助手に入ってくださいよ」

キタマ先生「うーん、助手として手術に入っても、血管切ったり道具落としたりしてアシスタント(手伝い)じゃなくてレジスタント(妨害)になっちゃうからね。あははは。」


この人ほんと楽したいだけでしょって思います(笑)

自分が年を取り定年を意識し始める20数年後、医療はどう変わっているのでしょうか。
「昔は頭の皮膚を切って頭蓋骨に穴開けてたんだって、野蛮だねぇ」
なんて会話ができるほど進歩しないかぁ