外来での徒然

聖徳太子ではないんです

頭部外傷後の労災で20年近く通院されておられるヒロさんという70代の方がいます。
労災のため数か月に1回来院します。基本的には処方のみです。

毎回ほとんど症状は変わりません。
年々加齢とともにできないことも増えていくようで、その話を基本的には伺っています。

私が赴任して1年ほど経過したころでしょうか。いつのまにか奥さんも一緒に診察室に入るようになりました。

奥さんは老人会や女性会の役員をバリバリしていて、孫とディズニーランドにいくのをすごく楽しみにしている方です。

診察は5-10分程度なのですが、いろんな話をしてくれます。
ただ3分くらいたつと、奥さんが話している声にかぶせてヒロさんが

「待っている人もいるんだし、その話別にいいだろ、その話はうんたらかんたら」と

かわいらしい夫婦げんかが始まります。

時折意見を求められても、聖徳太子ではないので、ほとんど聞き取れてないですよ(笑)



*ちなみに娘、孫からは「やせないとディズニーランドつれていかないよ」と言われているようです。ディズニーランドは戦場なので足手まといはいらないようです。世知辛い世の中ですね(笑)。