日々思う事

医師をうまく使うためには

医師は医師である前に人間です。患者さんも患者さんである前に人間です。
人対人の関係性において、モチベーションは大事です。
ただ医師側からするとリスク管理も大事です。いくつか例をあげます。

*以下私見です。患者さんやご家族にはできるかぎり理解してもらう、一緒に今後起こるであろうことに対処していこう、という努力/姿勢はずっと続けていきます。

・【全て任せます】 という患者さんやその家族
患者さんや家族が医師を訴えるということがなかった時代はそれで医師のモチベーションは上がったのかもしれません。
 今は、その言葉を聞いたら、ガイドライン(標準治療)に沿った治療を行います。それ以外はあまりしません。提案は何度もしますが。
 なぜかというと訴えられる可能性があるからです。
「理解していないのに勝手に標準治療と違うことをした!!」と。なので標準治療以外でこっちの方がいい可能性があると思って提案しても、任せますといわれたら、標準治療からはちょっと外れるからやめときましょうねとなることもあるかもしれません。

・【いろいろな治療法をきいてくる】患者さんやその家族
 脳神経外科を含む病気の治療には、標準治療以外の治療法や治験が数多くあります。医療者側はすべてを把握しているわけではありません。患者さんやその家族に教えられて、そこから調べることもあります(その場合はちょっと待ってもらいます)。
 調べてみると、我々を困惑させるエビデンスの無いものから、もしかしたら効果があるかもしれないというものまで様々です。
 病気に対して真摯に向き合い、なんとかしたいという患者さんやそのご家族に対して、我々は全力で向き合うことが多いです。結果として標準治療に落ち着くことがほとんどなので初めから【すべて任せます】でもいいのかもしれませんが、患者さんやご家族の受け入れ方や病気に対する姿勢は大きく違う気がします。

*医師に「この患者さんや家族は訴えてくるかもしれない」と思われたら、標準治療が選択されることとが多いような気がします。「理解しようとしてくれない、理解する気がない」と思われた場合、説明もだんだんと訴えられない最低限になってしまうのも仕方ないのかもしれません。理解しようという姿勢があれば何度でも同じ話をします。一回の説明でわかる方はなかなかいないしわからなくて当たり前です。常識の範囲内で何度でも聞けばいいのです。

*医師はいいように使えばいいのです。使われることに対して医師は別になんとも思いませんし、それが仕事です。一生懸命にインターネットなどで調べてよくわからなければ、医師に聞けばいいのです、調べさせればいいのです。
医師に質問しても反応が芳しくなかった場合、その内容があまりに的外れなことがあるのでそこらへんは注意したほうがいいかもしれません。